ポストコロナで考えられる経済シナリオと社会情勢

ポストコロナで考えられる経済シナリオと社会情勢

中国の武漢市に端を発した新型コロナウィルスのパンデミックは世界中に広がり、世界中の都市でロックダウンや移動制限、経済自粛が行われました。

経済ダメージは深刻でIMF(国際通貨基金)では1930年代に起こった世界大恐慌以来の大規模な景気後退に陥ると発表しています。

パンデミック収束後は、経済・社会環境がどのように変化し、どんな対策を取っていけば良いのでしょうか?
今後の社会で考えられるシナリオをシュミレーションしながら、アフターコロナでどのような対応をしていけば良いか見ていきましょう。

ポストコロナの経済情勢

それではまず、ロックダウンや自粛政策によって経済ダメージの大きい業界や業態について考えてみたいと思います。

■現在深刻なダメージを受けている業界や企業

  • 旅行業
  • 貿易業
  • 飲食業
  • エンタメ業界

■今後ダメージが大きくなる業界や企業

  • 人材派遣
  • 広告PR関連
  • 小売業
  • 製造業

上記の限りではないですが、このような業界や企業への経済ダメージは大きいと考えられます。また、上記に関わる業界や企業も影響が多いでしょう。

旅行業界

旅行業でいうと航空関係企業、ホテル宿泊施設関係、旅行会社、旅先関連施設など旅行業界全般に影響が出ています。コロナ収束後もすぐの回復は見込めず、人の移動は段階的回復していくと思われます。そのため、旅行業界へのダメージは非常に深刻で、事業撤退を余儀なくされる企業が増えることが想定されます。

飲食業界

飲食業は言うまでもなく自粛により大きなダメージを受けており、飲食に関わる食材卸や製品卸なども壊滅的な影響を受けています。飲食業は中小個人事業体が多く、事業の継続が心配されます。特に収束後もしばらくは密接を避ける傾向を考えると、居酒屋を始めとする夜営業の業態は、厳しい状況下に置かれることが考えられます。
飲食業などが取引先相手の卸売業も厳しい状況が続きそうです。

貿易業

国際移動の制限から貿易量も大幅に落ち込んでいます。そもそも景気自体が悪化すると貿易業にも影響が出てくるため、こちらも収束後の短期スパンでの回復は厳しいと思われます。

エンタメ業界

エンタメ業界も自粛継続から苦境が続くでしょう。エンタメ業界もグッズ製造業など関連する事業及び企業があり、こういった関連企業も苦しい展開が続きます。

しかし、同じエンタメ業界でも動画配信などオンラインを主戦場とする企業はこれを機に成長が加速する可能性があります。自宅時間を過ごすために、今までオンラインサービスに関心が低かった層に対してアプローチや興味喚起ができているため、新しいユーザー層の開拓に期待が持てます。

コロナ収束後も影響が出そうな業界

つぎに、収束後も悪影響が拡大しそうな業界も見ていきます。

人材派遣は、企業の経営状況悪化から既存契約の打ち切り増加が懸念されます。
リーマンショック時にも契約打ち切り・雇い止めが急増し、「派遣切り」が社会問題化しました。またSESと呼ばれる委託業務契約も契約止めが増え、苦境に立たされることが想定されます。

経済が悪化することで、広告やPR・販促関係の仕事にも影響が及ぶでしょう。経営悪化した企業は、財務改善のため削減しやすい宣伝販促費を削る傾向にあります。
そのため、今まで拡大路線で打っていた広告などを見直していくでしょう。

景気悪化により、消費活動の落ち込みも想定されます。生活必需品は別ですが、贅沢品や高単価商材などは需要が下がるでしょう。
特に百貨店などの業態は苦戦が強いられると思われます。

消費ニーズの減退により、製造業も苦戦を強いられます。物が売れにくくなることで、製造業や製造に関連する企業全般に影響が及ぶことが考えられます。
製造業では部品メーカーや材料・化学メーカーなど多くの企業が関わるため影響範囲が広いため、経済ダメージが心配されます。

ここまでは、景気悪化シナリオによるネガティブな面を見てきましたが、反対にこれを機に伸びるサービスや業界も見ていきましょう。

コロナショックを機に成長が期待できる事業

「ゲーム業界」「ECサービス」「宅配・物流」「医療用品・備品」「オンラインサービス」「テレワーク」「サイバーセキュリティ」これらの産業やサービスは需要拡大や商機到来が期待されます。自宅待機による新たなニーズ、顧客が期待できるサービスと、今回の感染リスクによる医療備品・設備の拡充における商材などです。

コロナショックで変わる今後の社会変容

次に今回のパンデミックによって変化していく社会状況について見ていきましょう。

働き方の多様化が進む

今回の緊急事態宣言を受け、多くの企業が半強制的にテレワークにシフトしていくことになりました。
そのため、テレワーク環境が整えられ、テレワークに懐疑的だった企業もテレワークを導入したことにより、テレワークでできること、できない事などを知るきっかけとなりました。

テレワークを企業が経験したことにより、企業の「子育て支援」や「テレワークの理解」につながることが期待できます。
また、こういった働き方を認めることで、フレックス制度などの活性化も期待できます。

企業のオンライン化スピードが上がる

テレワークの導入により、オンラインサービスの導入スピードや活用効率がアップすることが期待されます。

今までオンラインサービス導入に二の足を踏んでいた企業も、今回のパンデミックを機に組織のオンライン環境や体制を見直すことになるでしょう。

サプライチェーンが変わる

今回のコロナショックでは、サプライチェーンにも大きな影響を与えました。大きくは中国一極集中による地政学リスクです。
生産拠点の中国集中化により、中国が生産活動停止を余儀なくされたことで多くのグローバル企業や製造業者が生産をストップせざるを得ない事態になりました。
私達の身近なところでいうとマスクの生産は中国生産比率が高かったため、供給不足に拍車をかける事態となったのです。
他にも車の部品や住宅部品、家電製造など多岐にわたるところで影響を受けることとなりました。

そのため、サプライチェーンの国内回帰やASEAN諸国への生産拠点の移動がより一層進むことになるでしょう。
日本政府もコロナショックの緊急経済対策の一つとして、生産拠点の移転支援を打ち出しました。
国内回帰と中国以外の第三国への移転に対して支援予算を策定しています。
※4月7日に発表された移転支援策の総額は2435億円で、2200億が国内回帰分に当てられています。

そのため、工場移転や生産拠点の準備に関連する事業やサービスも一時的にニーズが高まることが想定されます。

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